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コラム

ポスター印刷の魅力 / SCREEN PRINTING ON PAPER

ポスターへの印刷

ロックバンドからHIPHOPなんかのアーティストのツアーポスターや、政治運動の販促ポスターまで、当時はSNSで告知なんてものはなく、全て物理的な宣伝が必要でした。シルクスクリーン印刷で販促用のポスターを大量印刷してばら撒くのが主流で、ヴィンテージショップなんかで出回っているポスターはシルクスクリーン印刷が仕上げられたものをよく見ます。

しかしながら最近ではインクジェット印刷でガッシャンガッシャン印刷できるし、そもそもポスターなんてものは作らないでデータベースで作品をSNSで載せて十分拡散もできるようになりまして、わざわざシルク印刷を使って時間をかけるのはマイナーなやり方となってしまっています。

でも時代の流れはありつつも、古くからあるやり方っていうのは、それでも完全にはなくならない理由=魅力っていうのものが残っているもんです。僕が働いていた古着屋にずっと飾ってあった80年代のALL-RAP SPECTACULARの販促ポスター。 BEASTIE BOYS / RUN DMCなんてオールドスクール満載な時代のポスターなのですが、どこか味があって、廃れることのない良い空気を纏ったポスターでした。

あとはウチの事務所に飾っている某グラフィックアーティストさんのポスターは本人が手刷りで仕上げたグラフィックポスター。その人自身が手作業で仕上げる。グラフィック云々もさることながら、その工程にもはや価値を感じる。具体的になにがいいのかって的確な言葉選びが難しい。ビシッと綺麗に仕上がるマシンワークもよいけれど、カスれてたり、ずれてたり(その作品はとても綺麗に仕上げられていますが)。そんな人間味を感じれるモノづくりが好きなだけかもしれないけれど、それが我々にとってはとても大事なのです。そこに共感できないとなればわざわざウチに頼む必要がないのでサヨウナラ。弊社ではそういう感覚をお持ちの作家 / アーティストさんなどへのサポートも十分に行えますので、実例を用いてご紹介させていただきます。

ポスター印刷のための設備

弊社にはポスター印刷に特化した大判印刷機を導入しております。

こちらがバキューム搭載のワンマン式大判刷り台です。
ポストカードから横幅1メートルを超える印刷物へのプリントも一人で刷れる粋な設備です。

ステンレス製の台には無数の穴があり、フットスイッチを踏むことでバキュームをON / OFFすることが可能です。微細な位置調整の後に位置がずれないように紙を吸着し、スキージング後に適切なインクの版離れの効果が得られます。また、1mサイズの印刷物も陳列可能な乾燥ラックもあるので、大量印刷も対応可能。

実際に刷ってみる

今回はwanna studioスタッフのMUUと共作でW700mm × H900mmの作品を製作しました。

シルクスクリーン印刷は基本的に色ごとに版を分けて一色ずつ位置を合わせて刷っていきます。今回は合計7色を用いたかなり手の込んだ作品です。

こういった大きいデザインでもワンマンスキージを使えば一人でスキージングが可能です。ざっと刷っていくのはなかなか気持ちがいいもんです。

一色ずつ・・。

少しずつ見えてくる楽しさ。

版下フィルムを用いて丁寧に位置合わせを行います。

完成です。イエーイ!
今回は夜中2時ぐらいまで楽しく刷ってました。笑

シルクスクリーン印刷のよさ


シルクスクリーン印刷での良さはインクの厚みと発色のよさ。マシンワークでしかできないこともあるけど、シルク印刷でしかできないことも多々あります。その辺りは今回は割愛しますが、一番推せるポイントは一色一色手刷りで仕上げていくこのプロセスにあります。やはり現代的なやり方では得られないアナログ故の温もりがあります。これはここまでの写真だけでは伝わりません。

やはりマシンワークで大量印刷したものより、こういった過程を踏むことで1つのポスターといえでも付加価値がドカンと乗ってくるものだと思います。それってただのロマン的なところでもあるし、昔の人からすれば全て当たり前でフツーのこと。この手間のかかるプロセスが必須だったのです。そういうことを当たり前にしてきた昔の人はどの分野においても基礎知識も凄い。だから昔の人の作る作品には、もの対する愛だったり重みを感じますよね。シルクスクリーン印刷じゃないと愛がないなんてことは言いませんが、こういうプロセスがあると同じ作品でも必然的にそういった付加価値が増すような気がします。「たまたま流れる音をシャザムして速攻曲名わかってDLして聴く音楽」と「四苦八苦してたどり着いた曲名をわざわざレコード屋に出向いて家で針を落として聴く音楽」そんな違いかなーとは思います。

またアパレル製品と同様にインクはさまざまなものがあります。データ上では決めきれないことも多く、刷りながら、あーだこーだいいながらより良い作品ができていくことがしばしばあります。そもそも、そういうのって楽しいことだと思うのです。



そんなところで本日はここまで!
興味のある方はご連絡くださいね。

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    この記事の著者

    キタウラ コウジ

    1995年生まれ。wanna studio Inc. 代表 兼 刷り師。工場としての印刷業を営む傍ら、自社によるクリエイティブレーベル〈mod one〉のディレクターとして、シルクスクリーン印刷の魅力を追求 / 発信している。

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