【印刷LAB】シルクスクリーンで刺繍を表現する。(エンブロイドプリント) | wanna studio

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【印刷LAB】シルクスクリーンで刺繍を表現する。(エンブロイドプリント)




デザインの落とし込み方の種類




Tシャツにデザインを落とし込みたいとなれば、何があるでしょうか。


wanna studioが専門にしているシルクスクリーン印刷。他で言うと昇華転写やインクジェット / DTF などなど。ハンドメイド要素の高い手書きペイントやアメリカの街頭なんかであるエアブラシなどで落とし込む1点モノなアーティスティックな方法まで。


そんな中でシルクスクリーンなどに並んで、ビギナーにも入りやすい方法として「刺繍」がありますよね。刺繍の中でも種類は細分化されるとは思うのですが、どれも一般的に上記で挙げた「プリント」と呼ばれる類ものとは全く異なった質感。刺繍には独特な立体的エンボス感が、刺繍らしさをグッと惹き立てているのです。なので、これを「プリント」を用いて、刺繍と同じ風合いをTシャツに落とし込むことは無理なのが基本的な考え方で合っています。


ただ

シルクスクリーンの可能性というのは割と広く、まだ認知されていない方法であったり、そもそも知らないとそのアイデアに至らないなんてこともしばしばあるのです。シルクスクリーンはデータ上では見えない部分も工夫次第で現場でより良くすることができちゃったり。なんて。



今回はシルクスクリーンプリントで「刺繍」を表現しようという印刷ラボです。




エンブロイドプリントの仕上がり






いわゆるベタのロゴデザイン。


このままシルクスクリーンでベーシックにベタ版ラバープリントで仕上げると考えれば、このブログを見ている人だと、どんなものになるかは容易に想像がつくかと。まぁそれはそれでヨシなのです。というよりも大抵が「その」感じでTシャツを作るものかと思います。


このデザインをベースに、じゃあ刺繍屋さんに仕上げてもらったらどうなるのか。それもまた容易に想像はできるんじゃないでしょうか。今回は「その」想像した刺繍モノをシルクスクリーンで、刺繍らしさのある「エンブロイドプリント」で仕上げたものを作ってみました。











「あらヤダ、ステキじゃないの〜〜」




通りすがりのオバサマがこう言ってしまうのも無理ありません。
また、そんなオバサマは相当ハイセンスと伺えます。



非常に「刺繍」っぽく騙し絵要素のある、非常に楽しい、非常に良い見栄えになりました。




簡単にプリント工程を解説しようと思います。





実際に刷ってみる。




まず、データの作成方法ですね。ここはすみませんが非公開です。(スミマセン)ブログでは伝えにくいのもありますが、ある程度仕上がりを予測することは不可欠で、チャッチャッチャっとできるわけでもありません。


今回のロゴデザインだと






まずはグレー。アウトラインの刺繍における「シャドウ(陰)」に当たる要素です。これが刺繍でのエンボス感を演出するための名脇役としてなくてはならない存在なのです。








塗りつぶしのグリーンは実際のサテンステッチの風合いになるように、糸のラインを意識して、それを視認できるように版下データを仕上げます。ただのベタ塗りつぶしだと、実際の仕上がりでいうと、近いようで非常に遠いという具合になるので、ここもエンブロイドプリントにおいて重要なポイントになります。











ハイライトホワイトで、アウトラインの白刺繍における凸部分(光を受けたハイライト箇所)になります。1本1本の「糸」を感じれてもらえるためには、潰れすぎてもダメ。逆に細すぎると刺繍の糸の密度を感じれなくなるのです。これまた絶妙な要素。




このままでも刺繍らしさはソコソコにあるのですが、あとは触覚的エンタメ要素を加えるために、パフ(発泡)化させます。全てのインクにパフインクを用いているので、熱を加えることでインク自体が膨らみます。3色刷り終えたあとの熱処理の過程で、インクがフワッと立体的に変化します。














このような過程で、オバサマもブチあげの「刺繍らしい」仕上がりになるのです。





考察




シルクスクリーンは「プリント」でありながらも「刺繍」にも変化することができるんですね。



アナタ「刺繍でいいじゃん」



ワタシ「はい、そうです。(真顔)」





なんだか楽しくない?っていうだけのことなのかもしれません。

いわゆるプリンターの「ロマン」です。
あと、見る人を少し楽しませることもできるんじゃないでしょうか。


エンブロイドプリントは、持ち込みデザインでも対応できます。
ちょっと差別化を図りたいんじゃ!って方はご検討ください。


ただ、細かいデザインや小さすぎるプリントサイズには向かないです。実際の刺繍でも細かい文字や塗りなどは表現不可となる場合が多いと思いますが、それと同様にエンブロイドプリントにも向き不向きはあります。データ処理は別途料金が発生しますが、弊社にて版下データは作成させていただくことが可能なので、気になる方はとりあえずご相談ください。


また、色変えも基本的には可能です。今回で言うと、青いボディカラーに対しては、塗り色をグリーン色じゃなくレッド色に変更したい など。割と汎用性もあるので、その点でも振り幅は大きくなるかと思います。(色を変えることで刺繍感が薄れるなどがあるので、一定の水準をクリアした色の選定が必要になります。)








今回はこれぐらいで。


プリントのご依頼や、この印刷方法について気になる方は是非お問い合わせください。



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    この記事の著者

    キタウラ コウジ

    1995年生まれ。wanna studio Inc. 代表 兼 刷り師。工場としての印刷業を営む傍ら、自社によるクリエイティブレーベル〈mod one〉のディレクターとして、シルクスクリーン印刷の魅力を追求 / 発信している。

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