【印刷LAB】マスキングテープ風にシルクスクリーン印刷してみる。
今回のテーマ「マスキングテープ」
今回のテーマは「マスキングテープ」です。
シルクスクリーンで印刷する際に、アイデア活かした面白いモノを作るとなると、ある程度のシルクスクリーン印刷に対して知見が必要になってきます。シルクスクリーン印刷を理解がないと「こういうことができる」というアイデアがそもそも出てこないのです。いい意味で「データ通りに仕上げない」というアイデアを持てる。といえば良いのでしょうか。今回もその理解を深めれる & 製作のヒントになるかもしれないので、ご覧ください。
過去にレイヤーを活かして、デザインそのものに奥深さやストーリー性を楽しめる作品をご紹介したのですが、少し似ているかもしれません。
実際に刷ってみる。
まず、マスキングテープというのは少しだけ薄く、テープ同士が重なった部分は重なりを感じれるモノ。ただ、過去に使った染み込みインクだと、重なり合っていることはわかるのですが、インクが完全に生地の中に入ってしまってプリント自体に厚みが全く出ないもの。今回のテーマにおけるリアリティは表現できません。
なので、今回は油性ラバーインクを使って表題を試してみようと思います。プリント自体に厚みがある油性インクの性質はそのままに、透明度だけを上げてしまうのです。

実際のマスキングテープを貼った時も同様なのですが、少し地が透けるように。デザインはテープを手でちぎったようにそれっぽーく仕上げるのも重要。が、これだけではなんだかマスキングらしさは、そこまで感じれない。

次のレイヤーを刷ると、かなり「マスキングテープ」感が!。インクの隠蔽度が低いので、重なり合った部分がそれぞれ影響しあって「レイヤー」を感じることができるんですね。マスキングのような薄い厚みもあるので、テープっぽさを無意識のうちに頭で感じれてしまいます。騙し絵のような感覚です。

一部分だけ3層目が必要だったので、これでフィニッシュ。
イイカンジ。
考察
シルクスクリーンプリントの応用の中では、割とベーシックなアイデアかもですが、やってみると面白い。
今回はマスキングテープ風にフォーカスを当てましたが、別の形にも応用は可能です。
油性インクの隠蔽度を通常レベルにして、グロスゲルをオーバープリントして艶感を出してしまえば、ビニールテープ風。全部透明にしてしまえば、セロテープ風もできちゃう。あらやだ、オモシロい。
例えば、実際にマスキングで同じデザインを貼って作ってスキャンして、それをデジタル印刷でそのままにプリントすることもできます。でも、それってあんまり面白くない。あくまでフウなデザインっていうのは、この工程を踏まえたプリントの楽しさだと勝手に思ってます。
今回はこのあたりで。
プリントのご依頼や、この印刷方法について気になる方は是非お問い合わせください。