足跡!アート研究所 【#17 特色分解の模索】

ミナサマコンニチハ。
9月が過ぎて10月に入った今日この頃ですが、Tシャツを着ている人もまだまだ多く、涼しくはなったけどなんか変な季節感になったなぁと感覚をバグらされる日々です。
そんなこんなで1年もすっかり後半戦になりましたが、今回も制作をしていきます。
今回は、僕自身ではあまり取り入れてこなかった「特色分解」という繊細なプリント方法をベースに、少し変化を加えた実験をしてみました。
特色分解については「PRINTING LAB」の過去記事をご覧ください。
という訳で早速プリントに入っていきます。
先ずはいつも通りに特色分解の方法で刷っていこうと思います。↓


ベースとなるホワイト → 全体の輪郭となるブラックを刷って。


文字部分のカラーになるオレンジ、そして最後に全体の陰影をグレーで刷って完成です。

やっぱり特色分解のプリントになると、細かい網点が重なりあって1つのデザインを表現しているので、陰影なども再現ができるのが強みですね。平面上のTシャツの上にも、デザインの立体感も感じられる。1つ1つのハーフトーンレイヤーが重なり合うと、こんなにも繊細にシルクスクリーンで表現できるのが面白いと思える1つのプリント方法です。
ですが今回はこの特色プリントの中で、部分的なレイヤーをパフインクに変えてみると、どんな風に仕上がるのか気になっていたので、インクを作って再度プリントしてみます。

まず1版刷って乾燥を軽く入れて次の色へと移っていくのですが、普段細かいプリントで熱乾燥で膨らむパフインクを使うことはなかなかない。やはり細かくなるとインクの塗布量も少ない分、インク自体の熱の上がり方が早い。カラーの途中でパフインクを挟む場合は、膨らむ前に熱から外す必要があるので、そのタイミングの見極めが少し難しくなるのを感じました。
そこに気をつけながら、順番に刷り進めていきます。


最後まで擦ったものを見ると、この時点ではまだ通常とあまり変わった雰囲気は感じられない。
これにしっかり熱乾燥を加えると、


プリントの細かい表現は残ったままで、デザイン全体にパフインク特有の凹凸と立体感が出て、更に面白みのあるプリントが出来上がったような気がします!
特色分解の細かいも相まって、見ると触ってみたくなるような。
実際触ってみると、視覚と感触からも感じられる凹凸が面白い出来に仕上げられたので大満足です。
ちなみにデザイン中にあるのはBLOODと書いてあり、白部分の O を無数に配置することで家族や親しい仲間だったり友達という、普通ではなく、それよりもっと深い関係であることを表現してみました。
いつもはあまりやらない細かーいプリントも楽しいので、また何か思いついたら特色分解のプリントも色々載せていきたいと思います。

それではまた次回をお楽しみに👋
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