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足跡!アート研究所 【#5 抜染インク】



ミナサンコンニチワ!

本格的な夏は終わりましたが、まだ日中のジメッとした暑さがなかなか無くなりきらない状況。もうすぐそこには強い台風も来ているみたいで、せっかくの週末は悲しいものになりそうです。サッと台風が過ぎ去ってこの暑さと湿度をくれるだけだったら良いのに。でもじっくりと何か考えたり、作ったりゆっくりと過ごすを作れってことですかね。

とモゴモゴ言いながら、今回もちょっと捻ったインクを駆使して、新しくプリントモノを作りました!


今回もカラーを盛り沢山使うので脅威の7版構成で版を用意していきます。主にベタデザインでのプリントが多い僕ですが、やはり版が多いと初っ端から用意するのに結構な時間を費やしてしまうため、早く作っていきたいと早る気持ちでいつも焦ってしまいます。



そして今回もTシャツを用意して初めていきます。






悩みながら決めていったカラーでレイヤーごとに刷っていく。生地の色である黒色にインクのカラーが負けてしまわない様に、一度擦ったあとに一旦熱乾燥を挟んで、重ねてもう一層刷ってあげることでシルクの良さであるハッキリとした発色の良い本来のインクの色味を出すことができます。その上、生地の毛羽立ちの影響が抑えたフラットで綺麗なシルクスクリーンの質感を得ることができます。


そして最後のアウトラインとなる版を下ろして刷ったら完成。





刷ったインクが薄くて完成なのかどっちかわからない。って写真を見てもらうと思うかもしれないですが、今回はこれで良いんです。とりあえずこのTシャツはこのまま全体に熱処理を施すためコンベア乾燥機に通していきます。




ここも特にいつもと変わらないやり方で通していきます。



そしてコンベアから出てきたモノがこちら

↓↓↓







あれ?コンベアを通す前と後で色が変わってる!


という感じで今回アウトラインで使ったインクは「抜染インク」を使用しています。熱に反応してTシャツ自体の染料が抜けていくといった特殊インクを使ってみました。いわゆるブリーチと同じような作用ですね。抜けた後のカラーは、ボディの色や染料によって、微妙に色味が異なるので、抜染プリントは刷りながらワクワク感もある。

抜染された部分の質感は、以前使用した生地に染み込むタイプのものと少し似ていて、元々のTシャツ自体の肌触りがそのまま感じられる。もちろん通常のラバープリントも使用しているので、実際に見た感じも写真のように違うプリントとのギャップを大きく感じとることができるといった仕様。








こんな風に普段使用しているプリントにも+αで一風変わったインクを取り入れることで、また別角度の新しいものが生まれてそれが楽しかったりする。今回の制作を通して、僕の頭の中でまた新しくインクを組み合わせたり刷り方を変えてみたりと、ドンドン浮かんでくるモノが出てきたので、これからも視覚的に触感的に色んな角度からアプローチできるような制作を沢山していきたいと思います。


それではまた次回👋



この記事の著者

MUU

1995年7月生まれ、生粋の夏男。wanna studio に刷り師として所属。絵描きとして様々な色を取り入れたポップなテイストを特徴としたアーティスト活動を行っている。

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